週末花探し

東京都を中心に花を見に出かけた記録。土曜日か日曜日の夜に週一更新。たまに読書感想文。

『図書館ホスピタル』三萩せんや 感想

図書館ホスピタル

著者:三萩せんや

図書館ホスピタル

図書館ホスピタル

 

本の内容

元気だけがとりえの悦子が、ひょんなことから図書館に就職した。ところがそこは普通の図書館と違う、不思議な噂が存在していた。館長や同僚司書に助けられ、悩める利用者さんを救えるか?

図書館で借りたお楽しみ袋に入ってた最後の3冊目、全部図書館ネタでした!!

 

以下感想。ネタバレは少し。

 

中学から大学までは柔道を続け、元気がとりえな主人公の元木悦子は、就活が上手くいかないまま大学を卒業してしまい焦っていたところ、叔母の紹介で田舎にある元病院の私設図書館で司書として働くことに。

今まで小説などは読んでこなかったし、図書館もあまり利用していなかったりで不安がたくさんあるけれど、持ち前の元気で頑張ってみる。そんな新米司書の悦子と、図書館の同僚や利用者たちのお話です。

 

主人公の悦子がすごく明るいし、登場人物も優しい人が多くて(一部例外的な人もいるけど)、文体も優しく丸く、どことなく児童書を読んでいるような感覚がして、遅読な私でも結構ハイペースで読めました。

ただ優しくて暖かい物語である反面、私にはちょっと地に足のつかない絵空事のようにも思えてしまいました。

 

また作中で『サラダ記念日』や『星の王子さま』など多数の本が紹介されるんですが、私はどれも読んだことがなかったので、いまいち入り込みづらい。

それを読んだことのある読書家の方なら、私とは違った印象を受ける作品かも知れません。

 

ただ図書館の同僚はみんな好感の持てる人ばかりで、それぞれのキャラクターをもっと掘り下げた話も読んでみたいですね。

作中での時間経過が春に就職してまだ夏になった程度の短い期間で、仲良くはなったけど同僚のことはそこまで深掘りされていないんですよ。それぞれのもっとプライベートな話とかもっと読みたい。

凪原さんとはそれからどうなったんだろうなあ。

 

なんというか物語のプロローグのような、これから始まる話でした。

 

図書館のお楽しみ袋シリーズ。

nakanohitsuji.hatenablog.com

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